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佐藤琢磨Fan’sBlog
F1ドライバー佐藤琢磨を熱く応援するブログです!その他F1界の情報についても色々語っていきます。
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あれから1年・・・
2008年5月6日。
その時は私の身体は東京は青山、本田技研工業本社前にありました。
我らがスーパーアグリF1チームではその頃、チーム存続をかけてチーム代表の鈴木亜久里氏がホンダの推すマグマグループへのチーム譲渡を決断。
直前におこなわれたスペインGPウィークにおいて正式に調印に至る予定でした。
ところがまさにその調印直前となったところで譲渡先のマグマグループは、資金提供元であったドバイ・インターナショナル・キャピタルの心変わりにより資金調達が困難になったことを理由に本交渉のすべてを白紙撤回。
なんとかFOMよる説得にホンダが屈する形で1戦限定の参戦資金を得ることが叶い、ほとんどスポンサーロゴの配されていない真白に近いマシンでなんとかスペインGPに2台のマシンを出走させはしたものの、それ以降のスーパーアグリF1チームは先行きのまったく見えない、まさしくチーム存続の窮地に追い込まれていました。
それでも鈴木亜久里氏は諦めることなく、マグマグループよりずっと以前から良好な交渉を継続していたヴァイグルグループとの売却交渉を急遽再開。
しかし、ホンダの強い意向によりマグマグループ1本に絞って交渉をおこなったために失った時間はあまりに大きく、鈴木亜久里氏は遂にF1への継続参戦を断念。
鈴木亜久里氏がその全責任を一身に背負い、スーパーアグリF1チームの撤退発表をおこなったのは2008年5月6日でした。
鈴木亜久里氏が同日に重大発表をおこなうという報に触れたファン達はSNSなどを通じて情報交換をおこない、青山の本田技研工業本社前に参集。
参集場所をあえて鈴木亜久里氏が会見を開くホテル前ではなく本田技研工業本社前としたのは「“SAF1をフルサポートする”と言ったその責任を、無言の抗議行動をもってホンダ側に訴える」ためでした。
今だから言えることですがこの時点でおそらくは日本全国の大多数が、いや青山に参集した人たちの中の多くも「撤退」の二文字が、鈴木亜久里氏の口から発せられることを覚悟していたに違いありません。
しかしそれでも青山に向かったのは、そしてあえて参集場所を会見場ではなく本田技研工業本社前に決定したのには、例え1%でも「継続」の可能性があるのであれば、例えそれを妄信的と言われようともその可能性に賭けて行動を起すことが、SAF1ファンとしての努めであると誰もが瞬時に理解できたからに他なりませんでした。
体制側がスーパーアグリF1チームの撤退に向けて動き始めようとも、誰もが撤退の可能性が大きくなり続けていることを自覚していようとも「スーパーアグリF1チームという素晴らしいチームは消滅させてはいけない!」という気持ちの方が優先されて具現化されたものが、あの2008年5月6日の抗議行動に顕われていたのだと確信しています。
しかしそれでも鈴木亜久里代表の口からは「撤退」の言葉が発せられてしまいました。
その言葉に触れた衝撃はあまりに大きく、失ったものの大きさに打ちひしがれ、ただただ青山の休日の雑踏を余所に呆然と立ち尽くすより手段がありませんでした。
おそらくはこの先二度と手にすることができないものが失われていくその瞬間に、あまりに無力であり、ただ見守ることしかできなかった自分に対して憤怒さえ覚えました。
誰もが無言で、誰もが目に涙を浮かべていました。
しかしそれが悲しみや落胆などというありふれた言葉で表せるような単純なものでないことは、皆の表情が物語っていました。
言葉を押し殺した口元は皆真一文字に結ばれ、唇をかみ締める者さえいました。
目に涙を浮かべる者は、その浮かんだ涙を頬まで到達させまいと天を仰いでこらえていました。
その様に適切な言葉は、私の少ないボキャブラリーでは思い浮かびませんが、あえて端的に言い表すのであればそれは「悔しさ」ではないでしょうか。
スーパーアグリF1チームを消し去ろうとする者達への抵抗勢力足り得なかった自分達に向けた「悔しさ」であったと個人的には思っています。
思えば“あの日”を境に個人的に様々な事が転換期を迎えたと言えます。
それまで苦言を呈しつつも25年間続けてきたホンダファンを辞めるきっかけとなったのも“あの日”の出来事があったからでした。
本田技研工業本社前に参集した私達にホンダ側が差し向けたのは、気の利いたコメントでも本社内の人物による釈明でもなく警察でした。
最終的には参集した私達を解散させんとするためにきた警察も、参集の主旨と手法に理解を示し、引き続き通行人等に迷惑にならないようにすることを条件に引き取っていきましたが、この出来事が私のホンダファンとして繋がっていた信頼という糸の最後の1本がプツリと音を立てて切れ去った瞬間でもありました。
なお、これは私個人の問題であり結論であって、それでも今までどおりホンダファンであり続ける人たちを否定するものではありませんので念のため申し上げておきます。
そして次に我らが佐藤琢磨を応援していくスタイルを1から見直さねばならなくなったのも“あの日”からでした。
2000年から2001年の英国F3、そして2002年にジョーダンからF1デビューを果たしてからそれまで、常にレーシングフィールドにあった佐藤琢磨というドライバーを応援し続けてきた自分にとって、これまでにない事態を迎えるに至ったため。
つまり2008年5月6日をもってスーパーアグリF1チームがF1から撤退するということは、言わずもがな佐藤琢磨のシート喪失を意味していたからに他なりません。
笑われるかもしれませんが、レーシングフィールド以外の場に身を置くドライバーを応援してきた経験が残念ながら私にはありませんでした。
この先どうして応援していけば良いものか・・・。
これに関しては「自分なりに何をどうしていけば良いのか」という結論までは得られていないながらも「諦めずに応援し続ける」というスタイルについては、佐藤琢磨応援プロジェクト「SIDE BY SIDE FOR TAKU」を立ち上げた中枢にいらっしゃる方々と接する機会を得て、どうにか確立することができたように思います。
その際に路を示していただきました方々には、この場をお借りして御礼申し上げたいと思います。
あれからあっと言う間の1年。
色々なことがあったといえばありましたし、無かったといえば何もありませんでした。
スーパーアグリF1チームに関して言えば、鈴木亜久里氏に直接感謝の意向を示す機会にも恵まれましたし、佐藤琢磨に関して言えば2008年日本グランプリ会場においてスーパーアグリF1チームへの「ありがとう」の思いとともに、いかにファンから求められている存在であるかを世界中に発信できました。
これに前後して琢磨はトロ・ロッソのテストに臨んでいた時期でもあり、これを後押しするべくファンとしての活動をおこなうこともできたと思っています。
そういう意味ではスーパーアグリF1チームに関しても、佐藤琢磨に関しても様々なことがあったし、できたと思います。
しかしながら佐藤琢磨のF1復帰という意味においては未だ成就していませんし、特に最近においては事の外情報が枯渇しています。
当面の目標といえる佐藤琢磨をF1のフィールドに復帰させることに関しては、まだ何もできていませんし、まだ何かをやっていかなくてはならないと思っているところです。
しかしながら情報が枯渇してくると、人というものは往々にして指標を失い、当初の志もトーンダウンしていってしまうもの。
テンションが昂ぶっているときは良くても、一定の落ち着きの期間に入ると中弛みを引き起こし、場合によっては当初の目的すら雨散霧消してしまうもの。
そういう意味では、今この時期が丁度その時期に該当し、私達琢磨ファンとしても志を強く意識して維持していくことが求められているのではないでしょうか。
2009年のF1シーズンも緒戦のフライアウェイ4戦を既に消化し、今週末からは欧州ラウンドに突入します。
当初予想したとおり、レギュレーションの大きく変わった今季のマシンとレースウィークにおいては、非常に優れたドライバーとただマシンなりに走らせているだけのドライバーが徐々に炙り出されてきています。
欧州ラウンドも数戦を消化すれば、更にその差は顕著となるでしょう。
その時こそ佐藤琢磨にとって割ってはいるチャンスです。
それが今季中のことになるのか、それとも来季に向けた動きと成るかはやってみての話し。
まずは私達ファンは佐藤琢磨が動き始めたときに即反応できるよう常に臨戦態勢で準備しておくことが重要であると考えます。
スーパーアグリF1チーム撤退、すならわち佐藤琢磨F1シート喪失から既に1年が経過した今、ただダラダラと事の経過を見守らねばならないこれ以上の時間など無用です。
「果報は寝て待て」という諺もありますが、寝ていては何も起せないのもまた道理。
今一度、1年前の“あの日”に強く思った初心を思い起こして、少し大袈裟なくらいに事に備えることこそが、私たち琢磨ファンに求められていると思っているところです。



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F1新時代開幕とホンダの終焉
さて2009年のF1シーズンが開幕しました。
いや、開幕してしまいました、という表現の方が感情的には正しいのかもしれません。
個人的には主役不在のF1グランプリ。
人間、自分に都合よく我侭にできているもので、佐藤琢磨が颯爽とF1のステージに登場してくる前までは、日本人が仮に出ていなくてもそれはそれで充分に楽しめていたはずなのに、佐藤琢磨が出ていないというだけでこれほどに開幕が待ち遠しくなく、しかもあっけなく通過していったことがあったでしょうか。
つまりは自分の中でそれほどに佐藤琢磨というドライバーの存在感が大きかったという事実を、グリッドに佐藤琢磨の姿がないという事実に直面してみて、あらためて再認識したということなわけですが、それにしてもこれほどに大きな虚無感に苛まれるとは思ってもいませんでした。
もっともそんな虚無感を抱きながらもF1を生中継で見てしまうあたりは、やはり自分はモータースポーツが好きであり、F1が好きなんだなということも何気に再認識してしまったというのがオチなわけですが、皆さんはどのようにこの開幕戦を迎えられたでしょうか。
さてそんなこんなで開幕戦をTVを通して観戦し終えた私は、目の前の結果に笑ってしまっていました。
楽しかったのでも、嬉しかったのでもありませんが確かに笑ってしまっていたのです。
あまりにも複雑な思いに恥ずかしながらいまいち自分でも消化しきれてないのですが「笑うしかなかった」というのが正確なところでしょう。
私を複雑な心境にさせたのは、想像のついた方もいらっしゃるかと思いますが、ブラウンGPの開幕1・2フィニッシュと、数十年ぶりの偉業と賞賛を受けているまさにその現場に影も形もなくなったホンダに関することです。
ロス・ブラウンによるマネジメント・バイ・アウト(ホンダは違うと主張していますが、これは間違いなくMBOに他なりません)が発表されたのは開幕戦より遡ること確か1ヵ月半ほど前だったと記憶していますが、表向きには一時は消滅か継続かすらはっきりとしていなかったチームが、ポッと出てきて予選から決勝まで1位、2位を独占する完全勝利を演出して見せたわけですから、それを偉業と言わずしてなんとするかという意見には反論の余地もありません。
ブラウンGPの持ち込んできたシャーシは、言わずと知れた旧HRF1において製作されたシャーシ。
同チームが2008年シーズンを捨ててまで、それこそ1年以上の長きにわたりリソースのすべてを注ぎ込んで作られた、本来であればRA109の型式名が冠されて陽の目を見る予定だったホンダのマシンです。
このホンダエンジンを搭載することを前提に製作されたマシンには、救いの手を差し伸べたメルセデスのエンジンに急遽換装がおこなわれ、ほんの少量のテスト走行を経たのみで実践投入されたばかりか、他を圧倒する脅威のスピードを発揮。
そして最終的には驚くべき信頼性までも見せ付けて開幕戦を制してしまったわけですから、やんやの大騒ぎになるのも無理はありません。
しかしながら冷静に考えてみれば、開幕戦の時点においてチームの名称は確かに変わったはいるものの、元を正せばブラウンGPはHRF1そのまま。
施設やドライバーがそのままであるというだけでなく、今となっては名前を出すのも憚りたくなるフライCEOがリストラ策を公表したのが開幕戦終了後であったことから鑑みて、チームスタッフもそのほとんどが引き継がれていた状態であったと言って良いでしょう。
チーム名の他に異なるのは、ホンダエンジンではなくメルセデスエンジンが搭載されていることのほか、これをメンテナンスするためにメルセデス側より送り込まれたスタッフが入れ替わっていたという程度で、逆を言えば他は何も変わっていません。
そういう意味では、ブラウンGPはまったくの新興チームとは一線を隔した存在であることは皆さんもご承知のとおりです。
そんなブラウンGPが脅威と報じられ、ロス・ブラウンの手腕に賞賛の声が惜しみなく送られている背景には、エンジンという心臓部を換装するという大仕事を短期間でやってのけ、最良にして最高の結果を出したという事実があるわけですが、それを偉業として扱うことに関しては個人的には少々異論があります。
もちろん時間的な制約を受けたうえでの苦労は大きなものがあったこととは思いますが、現代のF1ではエンジン開発が規制されており、その中でもマシン設計に大きな影響を及ぼすエンジンレイアウトも90度V型8気筒2.4リッターNAに限定され、そのうえマシンの運動特性を左右する最低重量も95kg、最低重心高も165mmと細かく規定されています。
つまりは換装に弊害をもたらすと思われる唯一の材料としてあげられるのはそのサイズであるわけですが、同様のレイアウト、同様の重量、同様の最低重心高という枠組みの中でいくら各メーカーが技術を突き詰めたところで、同一規格に近付くことはあっても、大きな差が生まれるとは思えません。
言うほど簡単でないことは百も承知で申し上げますが、ひと昔前と比較すればそれはエンジンのバッヂのみを交換するかのごとく容易に換装が可能であったと考えるのが自然だと思うのです。
何もブラウンGPのスタッフが他チームと比較してその分野において飛び抜けて素晴らしい仕事をしたわけではない、というのが私個人の見解です。
しかしながら、ロス・ブラウンの采配に関して言えば理解を示すことのできる判断をひとつだけ下しているのも事実として挙げておかねばなりません。
それは「ホンダの研究成果をニューマシンに100%注ぎ込むこと」を断行したことです。
今更何を言っているのかと仰る方もあるかとは思いますが、ホンダの首脳陣がフライにチーム運営を丸投げしていた2007年までのHRF1においては、中本修平というホンダ出身の人物をテクニカル・ディレクターの職に置いていながらまるで機能してこなかったがために、マシンの開発、製作、そしてヴァージョンアップに至るまで、栃木研究所を初めとするホンダ技術陣の研究成果を、全体の1割にも満たない程度でしか投入できずにいたことが判明しています。
すべてを仕切っていたのはフライとフライを取り巻く旧BARのスタッフ。
チームとしてのすべての経験と技術の粋を結集してこそのF1マシンである筈なのに、そうした政治色に薄汚れた状態で生まれ出てきたマシンが勝てようはずもなく、その惨憺たる結果は皆さん既に嫌というほどにご存知のとおりです。
その悪しき流れに大鉈を振るったのがロス・ブラウンであったのは事実であり、その点については評価できるところであると申し上げておきたいと思います。
もっとも一方で1シーズンを捨てるというメーカー系チームの雇われ代表として最もやってはいけない手法を採ったのも事実である以上、今回の結果如何によってはフライおよびこれを認めたホンダ首脳陣とともに第1級戦犯となっていた可能性もあったわけで、それまでのMBOに向けての動向と合わせて考えれば、結局はその功績も相殺されて然るべきものでしかないのですが・・・。
こうした経緯によりようやく生まれ出たホンダの純血マシンであるにもかかわらず、早々にロス・ブラウンの元に里子に出され、その里親と共に賞賛の声を浴びている光景を目にする毎に、個人的には非常に残念に思えてならない事柄が頭の中に徐々に、しかし強く湧いて出てくるのを抑えることができないでいます。
ひとつには、メディアの伝え方にもよるのですが、搭載されるエンジンがホンダからメルセデスへと換装されたことによって「つまるところホンダのエンジンはたいした“モノ”ではなかったのではないか」という見解を持つ人が増えることに対してです。
ホンダの技術陣からしてみれば、第2期ホンダF1活動を経て現在まで、他メーカーに対しても、またホンダ社内に対してもそれなりの自負を持って送り出してきた自慢のエンジンであったことでしょう。
もちろんこれまでのエンジンも然りです。
しかし最強と謳われたホンダエンジンの名声も成績の低迷とともに何処かへと消え失せ、長い屈辱的な期間を経てようやく今回このRA109となるはずだったマシンに搭載されて、名誉挽回と思った矢先に突然の撤退です。
そしてそれで完全に終わりであるならまだしも、ニューマシンは自らが心血注いで開発してきたエンジンではなく、ライバルメーカーのエンジンを搭載して走り出したのです。
更には実戦を闘ってみれば完全勝利という今回の結果を受けて「やはりホンダのエンジンが駄目だった」などと言われては、ホンダの“エンジン屋”達の立つ瀬がありません。
ようやく汚名返上というところにきて、奈落の底に突き落とされてしまったエンジン屋達の心中は、察するに余りあります。
そしてふたつ目には今回の優勝に沸き返るチームの輪の中にホンダの現場スタッフがひとりとして立ち会うことができなかったという事実です。
ホンダサイドは脳天気に祝福のコメントなどをリリースしているようですが、あの会社はいったいどこまで八方美人を決め込むつもりなのでしょうか。
「ポディウムの頂点で君が代を聞きたい!」
そんな願いを込めてファンがホンダを応援してきたのは、日本を代表するメーカーとしてのチャレンジに自らの想いを乗せようとしていたからに他なりません。
他にどんな理屈もなく「日本」という強烈なナショナリズムによって、F1にチャレンジする「日本のメーカーHONDA」に対して向けられた、純真無垢な願いであったのです。
それは技術陣も、現場に派遣されたホンダのスタッフでさえも共通だったはず。
だからこそ彼らは自分の能力を発揮する場としてホンダという企業を選び、ホンダのスタッフとして「日本」を代表する決意でF1の世界に臨んでいたに違いないのです。
しかしそんな現場の思いやファンの願いを知ってか知らずか、福井社長が口にしたのはあろうことか「ホンダは世界を股に掛けるグローバル企業なので、HRF1は日本のチームではありません」という耳を疑う様なセリフです。
日本から世界に足を踏み出した以上、人、団体、企業を問わず国益を軸に据えた主張ができない者は嘲笑の対象になることはあっても、けして信頼を得る事はありません。
それは政治であろうが、商売であろうが、スポーツであろうが同じ事で、F1の世界に限定してももちろん同様なのです。
そうした首脳陣の国際感覚の“ズレ”が、フライなどという3流CEOにチーム運営を丸投げするという愚行を選択させ、母体人事にまで口を出されるに留まらず本来ならチームの軸となって働いて然るべき有能な人材を左遷へと追い込み、その成れの果てに場違いな地球環境キャンペーンなどを恥ずかしげも無く展開することに膨大な予算を割くという、あまりに愚かな決断をさせたのです。
あげく自らの身が危なくなった途端に、形振り構わず、荷物も人員さえも放り出しての撤退です。
自分たちの引起した事態への後処理すら率先してやることもないという無責任かつ見苦しい光景を見て、今後いったい誰がホンダという企業を信用したりするのでしょうか。
F1関係者のみならず、政治、経済に至るまで世界中から白い眼差しを容赦なく向けられ、かつての戦友であるジョン・サーティース氏にまで「ホンダは二度とF1に来ない方がいい!」とまで言われる始末。
そんなホンダの醜態を目の当たりにして「英断」などと思うのは、金の亡者と化してホンダに集る投資家たちと、世界の視点にいつまでたっても立つことのできない日本国内のメディアだけです。
少々話が逸れましたが、そんな不甲斐無い首脳陣に翻弄されながらも、ようやく技術屋としての力量を100%発揮できる環境を得て懸命に開発、製作まで漕ぎ着けたマシンから、無残にも社名が剥がされ、国旗が外され、エンジンまでもが挿げ替えられて走り出す様を見て、またそのマシンが驚異的な戦闘力を発揮してポディウムの頂点に君臨し、その傍らであいかわらず醜い笑顔を撒き散らして騒ぐフライの姿を見て、彼らはいったい何を思ったでしょうか。
ホンダが出したリリースのように、祝福する気持ちになったでしょうか。
否!
きっと唇を噛み、歯軋りをして、声を荒げたい気持ちだったに違いありません。
現場にあって、私達ファンの求めていた本当の意味でのホンダスピリッツを継承していた彼等を思うと、正直居た堪れない思いです。
どこぞのF1専門誌で「ホンダは英国にチームを差し出したのだ」という文句を見た気がしましたが、そんな生易しいものではありません。
発言が過激に過ぎるとお叱りを受けるかもしれませんが、ホンダ第3期F1活動のうち特にオールホンダ体制になった以降に責任者足る立場にあった者たちは一人残らず「売国奴」と言って良いと私は思っています。
彼らの罪は重い。
いずれにせよ、とっくに解っていたことではありますが、今回の開幕戦を見てハッキリと「ホンダの時代は終わった」と認識できました。
願わくば今後、終わってしまったホンダを再建してくれるような力がホンダ内部から湧き上がることに期待します。
現場が死活問題に喘いでいる中、そんな戦犯である首脳陣だけが将来を保証され、とっとと栄転していく姿を見ても「仕方が無い」などと黙って指を咥えているようでは駄目なのです。
ホンダを理解する者達の中に、僅かに残された現場スタッフたちへの感謝と尊敬の念が、彼等自身の「諦め」という行為によって消え失せてしまわないことを願ってやみません。
今日からは第2戦マレーシアグランプリが開幕します。
当然のことながら、これからもF1グランプリが歩みを止めることはありませんし、私達も大望を抱いている以上歩みを止めることはありません。
今日からはそれでもそれなりに面白味の出てきたF1新時代を自分なりに楽しみ、そして「佐藤琢磨」という日本の切り札が割ってはいる隙間を目を凝らして探すことに集中したいと思っているところです。



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琢磨のマネジメントスタッフが採るべきスタンスではない
今回は少々「物申す」的な内容になってしまうことを予めお詫びしておきたいと思います。
先日、琢磨の旧来からのパーソナルマネージャーであるアンドリュー・ギルバート・スコット(AGスコット)氏が、某スイスメディアに対して出したコメントが日本でも報じられました。
その内容は大別して2つの内容となっており、ひとつには琢磨の今後の選択肢として「米国のIRLかスポーツカー・プロジェクトを検討中だ」というもの、そしてもうひとつはレッドブルとその総帥ディトリッヒ・マテシッツ氏に対しての批判的な内容のもの。
この2つの内容について、個人的に「ありえない」と思ったのはお気づきのとおり後者の内容。
その内容を要約すると「レッドブルの言動は一致しないことが多く、マテシッツ氏は「スポンサーを連れて来い」の一点張りで話し合いの機会を持とうとせず、すべてが混乱しオープンでなかった」というもの。
ただ聞いていれば状況としてはけしてありえない話しではなく、ドライバー確定時期を琢磨が今後を模索するうえで非常に困難な時期に突入する2月とされたという現実と向き合っている真っ最中の私達ファンにとっては、むしろそうであったのだろうと納得できるような内容ではあります。
ファンの中には「やはり日本での販促のみが目的だったのか!」と憤っている方も少なくないことと思います。
事実、私自身にそうした感情が微塵も無いのかと言えばそれは嘘になります。
ドライバーの能力とはかけ離れたところでレギュラードライバーの決定がなされた事実は公然と存在しているわけですし、また時を計ったかのように出される琢磨に対する好意的なコメントの裏が、実は商品販促が目的だったのではないかという疑念が払拭できない自分との葛藤ももちろんあります。
それはきっと琢磨ファンであれば誰もが持っている正直な感情であると思いますし、琢磨を想うが故の当然の葛藤であるとも思います。
今回のAGスコット氏のコメントはすべてではないにせよ、おおよそその内容を明確に証明しているとも言え、レッドブルに対する批判的な感情を強めた方も多いことでしょう。
しかしながら、それでも私は個人的に今回のAGスコット氏のコメントに対して「NO」と言わせていただきます。
琢磨自身は皆さんもご存知の通り、後ろ向きな発言や、他人を批判するような発言を嫌うタイプのドライバーであり、琢磨ファンですら「そこはもう少し言っても良いのでは」と思うこともあるくらいです。
しかしそれはメディアを介してその手のコメントが出てこないという次元の話しであって、琢磨が誰にでもそのように振舞っているわけではないことはファンならば良くご存知のとおり。
F1を目指す決意をしてSRS-Fに入校する段階からこれまで、琢磨は仮に所属チームの代表やスタッフであっても喧々諤々の議論を重ねてでも自らの主張を貫いてきたドライバーであり、そういう意味では琢磨ほど自分に実直で、琢磨ほど頑ななドライバーもいないのではないかと思うくらいです。
つまりは「黙して語らず」と思われがちな琢磨も、実のところ「言わねばならぬ事は言う」というスタンスをもっとも忠実に貫いてきたドライバーであり、琢磨がそうである以上はマネジメントスタッフもそうでなくてはならず、琢磨になりかわって契約交渉を進めていく立場のAGスコット氏ならば、琢磨以上にそうしたスタンスを持って事に当たらねばなりません。
ならば何故に今回のAGスコット氏の「言わねばならぬ事は言う」を具現化したコメントに「NO」を突きつけるのかということになるわけですが、私は「言わねばならぬ事は言う」ということはつまり「言わねばならぬ事は、言わねばならぬ時に、言わねばならぬ相手に、言う」ということだと思っているからに他なりません。
要するに、メディアに対して今回のコメントを発したところでいったい何が生まれるというのか、ということです。
メディアというものは皆さんもご存知のとおり「いかにして読ませるか」ということで成立している世界です。
特に感情的な物言いに関しては往々にして発言者の真意のとおりに視聴者に対して伝わることは皆無で、面白可笑しく書き立てられるのが関の山であるということは、皆さんも良くお解かりのことと思います。
それが今回のような第三者を批判するような内容ともなれば、まずもって発言者の思惑通りに視聴者に対して伝わることはなく、ましてやそれによって何かが解決したり生み出されたりすることは無いと言ってよいでしょう。
事実、今回AGスコット氏がこのコメントを発信したことにより、私は重大なものを失ってしまったと考えています。
琢磨の現状は今更私などが語らずともご存知のとおり、F1復帰を目指して全チームの全20シートを対象に模索している最中なのです。
その中には当然ながらレッドブル・レーシングチームもスクーデリア・トロロッソも入っています。
つまり、AGスコット氏の批判コメントはこれらレッドブル系列の4つのシートを獲得できる今後の可能性を限りなく0%にしてしまったのみならず、他のチームからもAGスコット氏との交渉に対して一線を引かれてしまう可能性すらあると考えるところなのです。
例えほんの僅かな可能性であっても諦めずにF1復帰を目指すと宣言している琢磨を他所に、その琢磨に最も信頼され最も理解する立場足るべきパーソナルマネージャーが、その可能性を自ら減じたり潰したりするような行為をして良いはずがありません。
琢磨がBARを放出されるに至ったとき、そして今回と2度も苦汁を飲まされた気持ちは理解できますし、その感情を吐き出したくなる気持ちは理解できぬではありません。
私たちファンも悔しくてたまりません。
しかしそのことを口にすることに関して、今はその時では無いしメディアはその相手では無い、という事をAGスコット氏が理解できなくてなんとしましょう。
私自身、当人に言う事が叶わぬのでここに書いているわけで、AGスコット氏もそうした気持ちもあったのかもしれませんが、口を開く前に是非に「立場」というものを考えてもらいたいものです。
事が交渉事である以上それは駆け引きであり、どちらかだけが悪く、どちらかだけが良いということは絶対にないわけで、もし仮にこの様な発言を繰り返すならばそれは「保身」と受け取られかねないことも、AGスコット氏は理解する必要があると思います。
今回のスイス誌に語った内容が真実であるならば、琢磨のパーソナルマネージャーとして猛省を求めたいところです。
琢磨の今後について、米国にその活躍の場を求めるべく検討しているということですが、F1への復帰を諦めない琢磨の意向を汲めば、自ずとF1からのオファーを優先できる条項を盛り込むことを前提とした交渉になるのは解り切ったことであり、当然にF1チームとの交渉と並行して事を運ばねばならないという非常に困難な状況を乗り切り、かつ成就させていかねばなりません。
今この時期にいたって、後ろ向きな発言をしている時間など無いはずです。
AGスコット氏をはじめとするマネジメントスタッフは、これまで以上に東奔西走せねばならなくなるわけですから、是非これまで以上に奮闘努力していただきたいと思いますし、琢磨自身もまたこれを成就させるため、前にも申しましたようにマネジメントスタッフの強化に目を向けて欲しいと思うところです。
2009年F1開幕戦を目前に控え、琢磨ファンの誰もがそのグリッドに琢磨がいない現実と向き合い、琢磨の「諦めない」という言葉を信じて前を向いて進もうとしているところなのです。
AGスコット氏をはじめ琢磨を支えるべき立場の主要スタッフの方々も、そうした後ろ向きな感情を捨て、その悔しさを原動力に変えて共に進んでいく決意を一層強くしてくれるよう願うところです。
琢磨の方向性が定まらぬ今、琢磨、スタッフ、ファンすべてがブレることの無い信念を共有していくことが、今は何よりも大切なときなのですから。


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琢磨のF1復帰への道が閉ざされたわけではない!
2009年もいよいよ3月に入り、各チームともにニューマシンのシェイクダウンを終え、開幕に向けての熟成作業に追われている状況といったような時期となってきました。
エアロダイナミクスをはじめとするレギュレーションの改変や、世界的経済不況という時代背景に大きく影響を受けたコスト削減策などによって、これまではある種異世界のような様相でもあったF1界も大きな転換期を迎えています。
本来であるならばこの開幕を間近に控えた時期というのは、F1を愛する者たちにとってこれほど胸躍ることもない時期なのですが、ここを訪れていただく方々にとってこの状況を例年のように素直に楽しむような気分にはなれないという方も少なくないのではないでしょうか。
2009年2月6日。
それまで私たち琢磨ファンが大きな期待を抱いていた、トロ・ロッソのシート獲得による琢磨のF1復帰という希望が打ち砕かれてから早1ヵ月が経過しました。
同日付けで今後に向けてのコメントを発信した以降、沈黙を守ったままの琢磨自身とは対照的に、これまでの間にいくつかの琢磨関連のニュースが浮上しては消えていきました。
その代表格が「旧HRF1をヴァージングループが買収し、これに琢磨が起用されるのではないか」というもの。
旧HRF1の売却先候補については、ホンダがF1からの撤退を発表した当初より十数社が名乗りを上げているといわれてきました。
元BARホンダチーム代表の経験を持つデイビッド・リチャーズ氏率いるプロドライブにはじまり、ニック・フライとのコネクションを持ちスーパーアグリF1チーム買収で話題となったマーティン・リーチ氏率いるマグマグループ、ブルーノ・セナをパーソナルサポートしている大富豪カルロス・スリム氏率いるテレメックスグループなど、メディアに名前の挙がった代表的な顔ぶれだけでも錚々たるものがあったわけですが、対外的には正式に交渉のテープルについたか否かも定かにはされず、結果的にはいずれの売却筋も次第がはっきりとせぬままに消滅していきました。
様々な売却候補の名前が現れては消えていく中、それとは対照的に現実味を帯びてメディアに台頭してきたのが、当初より実しやかに語られてきたロス・ブラウン、ニック・フライ等旧HRF1チーム首脳によるマネジメント・バイ・アウト(MBO)によるチーム存続手段です。
もっともメディアに台頭してくるも何も、ホンダの堕落ぶりを苦々しく思っていたファンや、特にスーパーアグリF1チームファンにとっては、チーム運営に関して大いなる無能ぶりを発揮し、相変わらず場違いな大口を叩くだけのニック・フライがいつまでもチーム売却の最重要ポストに居座り続けている事実、ホンダが撤退した以上は雇われ代表の身でチームに残っても何ら旨味が見いだせぬはずのロス・ブラウンがチーム残留を明言しているという事実、更には本来であれば自ら最後の責任をもってチーム売却交渉に奔走せねばならないはずのホンダ自体に、おおよそ世界にその名を知られる大企業、いや、あの日本のモータースポーツファンから愛されて止まなかったHONDAとは到底信じられぬような無責任極まりない醜態を見せつけられてはMBOは驚くべき存続手段でも何でもないわけで、こちらの方がむしろ成り行きとして当然という結論を導き出すのに特段の苦悩は必要としないことでしょう。
話を戻します。
チームの参戦継続資金の保証を条件にエンジン供給を約束していたメルセデス・ベンツが、その条件確保の期限として設けていたといわれる2月23日と前後して、突如として琢磨関連のトピックスとして伝えられてきたのが前述のヴァージングループによる買収話であったわけですが、ヴァージン・アトランティック・エアラインズが琢磨の特別なパーソナルスポンサーであること、また旧HRF1の売却先としては初めて琢磨のレギュラードライバー枠獲得に結び付けられる候補でもあったことから、多くの琢磨ファンが祈るような想いで事の進展を願っていたことと思います。
チーム買収を目論む者として、ホンダ側の人間を初めてその交渉の場に引っ張り出したとの報道もあって、皆さんの期待感が更なる昂りを見せたであろうことは想像に難くありません。
しかしながら私たちの期待とは裏腹にMBOによるチーム譲渡がより強く噂されるようになり、そしてついには本日3月6日付、ホンダ側、チーム側双方から正式にMBO成立のリリースが発信されるに至りました。
リリースによればチーム株式はホンダからロス・ブラウンに100%譲渡され、ここにロス・ブラウンをオーナーとするMBOが完了したとあり、同リリース内にて「ブラウンGPフォーミュラワン・チーム」(「フォーミュラワン」がFIAの商業権に抵触する可能性がありますが)が正式に誕生したことが述べられています。
また併せてレギュラードライバーについては以前より残留が確実視されていたジェンソン・バトンが確定し、残るもう1つのシートにはこれまた残留となるルーベンス・バリチェロの続投で発表が成されました。
何故にバリチェロなのかという議論も湧いているようですが、個人的にまったく関心のないことなのでその点についてはもはやどうでもよいこと。
それよりも、ロス・ブラウンによるMBOが成立した時点で、いやホンダが同氏によるMBOを承認した時点で、ヴァージングループによる旧HRF1買収と琢磨の同チームからのF1復帰の話が露と消えたことの方が重要。
個人的にはありえない話とまでは言わないまでも、当のホンダが“あれ”ではヴァージングループがチームを取得できる確率は著しく低いと早々に判断していただけに取り立ててショックのようなものはありませんでしたが、おそらくは多くの琢磨ファンが1つの大きな可能性が潰えてしまったことに酷く落胆されたのではないかと思うと、そういう意味での悔しさがこみあげてくるものはあります。
以前、ジャガー・レーシングチームを所有していたフォードが、レッドブルにチームを売却する際に最低3年間のチーム存続保証を取り付けたうえで、それまで籍を置いていたF1界を濁すことなく身を引いていったのとは対照的に、何の責任を請け負うことも果たすこともなく、それ以前に責任を感じることすらなく、騒がせるだけ騒がせたあげくにファンさえも裏切る損得優先の逃げ切り行為を最後まで演じたホンダには、憤りを通り越してもはや同じ日本人として恥ずかしいと思う気持ちの方が強いと感じています。
いずれにせよ、私たちが「琢磨、トロ・ロッソのシート獲得ならず」の報せを受けた直後から話題として上っていた「レッドブル系チームとのサード・ドライバー契約」に関する話題についても、先に琢磨本人より正式に否定するコメントがリリースされていることから、琢磨F1復帰に関する表立った可能性としてはまったくの白紙状態に戻ったことになります。
レッドブル系列チームとのサード・ドライバー契約についてはコメント以外弊ブログではまったく触れてきませんでしたが、個人的に琢磨の立ち位置として相応しい場所とはどうしても思えず、またレッドブル系チームの4人のドライバーとの途中交代の可能性もひとつの選択肢としては確かに考えることはできるのですが、レッドブルの枠内に収まってしまうことは広告塔としてのみ利用されてしまうのではないかという心配も然ることながら、かえって琢磨F1復帰の可能性を狭めてしまうことになりはしまいかと、今一つ歓迎ムードへと気持ちが至らなかったことがその理由です。
確かにレッドブルの線が消え、更に旧HRF1の線が消えてしまったことで、琢磨のF1復帰の道筋は白紙に戻ってしまったわけですが、反論承知で私はあえてここは「白紙で結構!!」だと思うのです。
かといって確たる根拠あっての意見でもなく誠にもって申し訳次第もないのですが、言わせていただけるならば琢磨をF3時代から応援し、その実力と可能性を信じている私にとって、琢磨がF1のレギュラードライバーにこだわることは至極当然だと思いますし、またその選択肢もレッドブル系チームに限定した4シートよりも全チームの20シート対象であるべきだと考えるところです。
また琢磨サイドの視点に立って考察してみた場合、「トロ・ロッソ1本に絞って交渉してきたことが正しかったかどうかは判らない」と何処かで琢磨本人も述べていたやに記憶していますが、これまでの失敗から必ず何かを学びとって活路を切り開いてきた琢磨の性格からして、今後はあえてオープンなスタンスを採ることによって可能性を見出そうとするのではないかと勝手な解釈をしているからでもあります。
琢磨としては噂だけが先行し過ぎた感のあったレッドブル系チームとのサードドライバー契約に関して打ち消すコメントをあえてリリースしたのは、ファンが過度に期待してしまわぬよう配慮しただけなのかもしれません。
しかしそのリリースの中で「(前略)この先、何が起きるかはわかりません。皆さんもご存知のとおり、僕は決して諦めることなく、これからも自分の将来にとってベストな道筋を探し求めていくつもりです。」としているとおり、レッドブル系列との契約のみが声高にピックアップされる状況が、琢磨自身が今後の道筋を広く模索していくにあたって障壁になる可能性があると判断した結果としてのリリースだったのではないかと個人的には考えるところです。
白紙になったキャンバスへのデッサン方法は自由。
つまり琢磨の今後の可能性は無限大だということです。
「僕は決して諦めない」
つくづく琢磨にもっとも良く似合うセリフであると思いますし、琢磨からこのセリフを聞くことができる限り、私は、私たち琢磨ファンは信じて待つことができると思います。
これまでの道筋が潰えてしまったことは確かに残念ではありますが、琢磨ファンであればこそ琢磨と今の気持ちを共有して前に進んでいくことができるはずです。
そして想いを共有しつつ私たち琢磨ファンとして出来得ることを弛まずに実行していきましょう。
もちろん「決して諦めることなく!」です。


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琢磨サイドに求められる「マネジメント能力の強化」
琢磨ファンのみならず、メディア並びに日本モータースポーツ関係者に激震が走った2月6日から丸2日近い時間が経過し、さすがにそれぞれ自らの置かれた現実を受け入れようとする雰囲気に変わってきたようにも思われますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
琢磨に下された今回の決定について「納得」なんてできるはずもないのは重々承知しておりますが、そろそろ悔しさや悲しさに満たされてしまった気持ちを「さて、次に何をしていこうか」と、前向きな気持ちに切り替えられていることを同じ気持ちを共有した1ファンとして願うばかりです。
当の私はといえば、前回の記事更新と同時に半ば強制的に気持ちを入れ替え、その後はとにかく琢磨が今シーズンのF1に割って入っていける可能性について終始考えているような状態です。
しかしながら、そもそも能力の臨界点が高くないが故に早々に煮詰まってしまった思考回路を、少々冷却してやろうかと当記事を書いている次第です。
「頭の整理」といったところでしょうか。
さて、琢磨のためにこれから何をしていこうかと考えてみますと、まずただただ我武者羅に動き回ったところで効率的な活動ができるわけではないことは、もちろん皆さんもお解かりのはず。
動くためには計画が必要で、暴走して琢磨の邪魔をしてしまっては本末転倒です。
特に今回は「2009年のF1シート争いに事実上敗北した」という苦々しい事実から考えていかねばならないので、これに対する原因の究明と対策を講じるところから始めねばなりません。
つまるところ、何故に琢磨はブルデーなどにシート争いで負けねばならなかったか、というところから考えていかねばならないわけです。
そこでまず最初に挙げなくてはならないのは実力に関してですが、これはもうこれまでに語り尽くしてきた感がありますので、今更ここに列挙する必要はないでしょう。
既に皆さんも良くご存知の通りです。
ひとつだけ事例を挙げさせていただくとすれば、琢磨が第1回目のトロ・ロッソからのテストに臨んだときの出来事。
2008年シーズンを通してトロ・ロッソのマシンSTR3の操縦特性に散々悩まされ続けてきたブルデーでしたが、同テストで琢磨がそのステアリングを握るやいなや、わずか数周で完璧に乗りこなされてしまった事実を目の当たりにして、ブルデーはその時既に琢磨に対して白旗を揚げていたのだとか。
つまり実力に関してはチーム関係者のみならずブルデー自身も負けを認めており、それはテスト前には「実力勝負」と言って憚らなかったコメントが、テスト後には「持ち込み資金がすべて」とトーンダウンしていることからも明らか。
この点については論じるまでもないでしょう。
しかしながら、私達琢磨ファンが最も合点がいかないのがこの点であるのも事実。
実力で負けないのなら、何故にシート争いに敗北せねばならなかったのかという点です。
一般的に語られているその主たる要因としては、琢磨の持込資金がチームの求める条件を満たすことができなかったということですが、しかしこの表向きの事実だけを主因とするメディアは琢磨側の事実だけを見ていて、対極にあるブルデーの事実を見ていません。
確かにチーム側の要求する条件を琢磨側の用意した手札が満たしていなかったというのは事実だと思いますが、それでも琢磨にはこれまでにも親密にしていたパーソナルスポンサーが多く保有されており、また今回の活動の中でも高額とはいえないまでも新規に数社のフィナンシャルサポートを獲得していたといいます。
これに対してブルデー側はつい先日までパーソナルスポンサーが皆無であったと言われており、昨今の経済状況下にあってここ数日のほんの僅かの間に大型のフィナンシャルサポートを得られたとは到底考えられず、またそのような事実も聞こえてきません。
またレッド・ブルは今年からフランスでも自社ブランドの製品を販売する計画を立てており、そのことがブルデーの決定打になったやに伝えているメディアもありますが、琢磨とてこれまでに確立した自身のブランド力により日本だけでなくアジア圏における市場拡大への効果は絶大なものがあると考えられ、これもまた説得力に欠けます。
つまりこれらの事実から、当初からチーム側も隠そうとしなかった「持込資金の金額次第」による判断が、チームのシート確定を左右したわけではないということが判ります。
これまでに述べてきた経験や実力、持込資金を含めたチームへの資金的貢献度という点で純粋にドライバーを選定していたならば、トロ・ロッソのシートは間違いなく琢磨の手に転がり込んでくるはずだったと言えます。
ならば何故ということになるわけですが、某有名メディアに興味深い記事が掲載されていましたので、それを元にして話を進めてみたいと思います。
ブルデーのパーソナルマネージャーがニコラス・トッドであることは皆さんもご存知のことと思います。
ニコラス・トッドは言わずと知れたフェリペ・マッサのマネージャーでもあり、かのフェラーリ元CEOであるジャン・トッドの息子です。
某メディアが言うにはそのニコラス・トッドが自分の立場と父親を通じてフェラーリに取り入り、トロ・ロッソの使用するフェラーリエンジンの供給代金をディスカウントさせたというもの。
さらに興味深いのが、レッドブル・レーシングにエンジンを供給するルノーにもフランス人ドライバーを後押しする利を訴え、これまたエンジン供給代金をディスカウントさせることに成功したという内容でした。
もちろんブルデーがフランス出身のドライバーとはいえ、ルノーには何のコネクションも無いわけですが、ルノーにはフランス国内のF1ファンからの声、つまり「フランスのチームなのだからフランス人ドライバーを起用しろ」という希望を無視し続けてきたという負い目があり、エンジン供給代金程度を少々ディスカウントすることに応じるだけでフランス人ドライバーであるブルデーをF1界に残留させることができるのであれば、自チームに影響を与えることなく僅かな資金で世論を見方につけることができるという、ルノーにとってまさに一石二鳥な選択肢であった、というのがその主旨です。
もしも年間30億円とも、40億円とも言われる超高額なエンジン使用代金が節約できる、しかもレッドブル・レーシングとトロ・ロッソの両チームでそれが可能となるのであれば、いかなる理由をこじつけてでもブルデー起用にレッドブルが傾くのも頷けないではありません。
もっともこのエンジン供給代金に纏わる話題はかなりの部分で推測の域を出ないものであるとは思いますが、2010年から施行されるコスト削減案のとおりになるのだとすれば、現時点の半額にまで減額が強要されるエンジン供給代金を1年前倒しで僅かながらディスカウントすることに対して、フェラーリにしろルノーにしろ得られる利益が一致するのであればなんら躊躇するものではないと思われるだけに、可能性としては非常に高いものがあると思います。
とはいえ結局のところは金、つまりは「資金問題」に帰着するわけですが、注目すべきは最終的にブルデーのシート獲得まで、持ち得るすべてのコネクションを駆使して奔走、実現してしまったニコラス・トッドを含むブルデー側のマネジメントチームの能力の高さにあると思います。
対する琢磨に関してそうした視点から見てみると、これまで琢磨を後押ししてきたホンダは既に撤退してその姿はF1界になく、自チームを堕落の象徴ともいうべきニック・フライに託すという愚行に平然とし、自らチームを売却するという最低限の責任すら放棄して無関係を装う醜態を露呈しているような状態です。
まともな時代のホンダであれば、トロ・ロッソに琢磨を選択させることなど造作も無いことだったとは思いますが、それを今のホンダに対して語ったところで虚しいだけです。
そもそもファンさえも裏切った今のホンダには望むべくも無く、琢磨自身それを嫌って脱ホンダを遂行してきたわけですから、ホンダに後押しを願うことは最初から琢磨側の選択肢にも無かったと思われます。
F1界の中にコネクションを求められない以上、それ以外に琢磨獲得が利となることをアピールできる要素を求める必要がでてくるわけですが、とりわけアジア各国で人気の高い琢磨のブランド力を利用したレッドブル商品の市場拡大を訴えることで対抗するというのがひとつ手としてあります。
もっともそのことを認識していたからこそ、日本ではレッドブル・ジャパンを巻き込み、ファンとしても市場拡大にそれぞれの手段で可能な限り尽力してきたわけです。
しかしながら、素人考えの根拠なき考察であることを前置きしておきますが、仮にそれらの活動がアジア圏全域に拡大することができていたら、そういうグローバルな行動力が琢磨サイドのマネジメントチームに備わっていたならば、エンジン供給代金のディスカウントという極めて一過性要素の高いニコラス・トッドの策を、逆転できる手立てとなっていたかもしれません。
スーパーアグリF1チーム在籍時における佐藤琢磨というブランドに対する反応を見てみれば一目瞭然で、私達日本人が思っているより、いや琢磨のマネジメントチームが思っているより、日本人以外の琢磨に魅了されている人たちの数は多いと思うのです。
そうした琢磨の持っている「利点」を最大限に活用できなかった、活用する案を提言できなかったマネジメント能力の差が、今回のシート争いにおいて敗退を余儀無くされた大きな要因のひとつであると考えるところです。
誤解の無いように先に申し上げておきますが、仮にも琢磨が信頼して契約しているアンドリュー・ギルバート・スコット、マシュー・ウィンタース両氏の能力が劣っているとか、解雇せよとか言っているのではありません。
彼らには彼らの良さと得意分野があり、琢磨もそれをかって全幅の信頼を置いているのは充分理解しているところです。
しかしあえてここまで申し上げるのは、今まで琢磨を信じるが故にその点について触れずにきましたが、こと今後において琢磨のF1復帰をまず第一義として前面に押し出して考えていくためには、琢磨サイドのマネジメント能力の強化は必須であると考えたが故なのです。
もちろんプライベートマネージャーを最終的に選択するのは琢磨本人なわけで、私たちが余計な口を差し挟むところでないことは自覚しておりますが、ホンダという後ろ盾を自ら切り捨て、ドライビング能力と経験のみを武器にF1界に生き残っていくためには、このマネジメントチームの強化は必要不可欠であると申し上げるところなのです。
2009年シーズンにエントリーすることを琢磨が願っているのであれば、それこそ残された時間は極僅かでしかありません。
F1復帰だけを見据えていくのであれば、取り入れるのも、切り捨てるのも躊躇はなりません。
すべてにおいてベスト&ベストで取り組んでいかねば、事を成就させることはできないと言えるほど、事態は非常に厳しく逼迫しているのです。
とにもかくにも、まずは琢磨がこれからどうしていく所存なのか、指針を示していただく必要があります。
その号令をもって私達ファンは更にひとつにまとまり、活動も再開されます。
今回の提言は余計な事に他ならないのかもしれません。
しかし、琢磨の決断が下されるまで、いつでも動き出せるように私達は考えられることは考え、備えられることは備え、ファンとしてできることをやっていかなくてはと思っているところです。
残された時間はけして多くはありませんが、まずは開幕戦のグリッドに琢磨が着くことができるまで、諦めずにファンとしてできることを各々やっていきましょう。


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