去る8月9日、琢磨クラブ初の参加型イベント「Virgin Atlantic TAKUMA Club Karting」に行ってまいりました。 開催場所は富士スピードウェイのカートコース。 周辺道路ではひっきりなしに工事用大型車両が往来し、またこの日の入口に指定された東ゲートでも同様の車両が頻繁に出入りを繰り返していました。 昨年、なにより観戦客から多大な非難を浴びることとなった周辺施設の補完とインフラの整備について、一応のところは公言通りに急ピッチで作業を進めているといったところなのでしょう。 これにグランプリ運営に関するソフト面がどう噛み合うかが最終的な胆になるわけですが、2008年日本GPまで2ヵ月となった折り、これらの対策が口先と浪費に終わらず、観戦客が本当に楽しめるモノに繋がってくれることを切に願うばかりです。

さて、のっけから話がそれてしまいましたが、先にも述べたように今回の催しは毎年シーズンオフに東京と大阪で開催されている「TAKUMA Club Meeting」とは趣を異にした、参加型カート走行会とファンクラブミーティグを組み合わせた、琢磨クラブとしても初となる試み。 確かに、琢磨の在籍していた我らがスーパーアグリF1チームが撤退したことによって、F1シーズン中にもかかわらず本来ならけして有り得ないこの時期に、本イベントが開催されたというのはなんとも皮肉な話ではあります。 が、しかし何よりも久しぶりに琢磨に会える、またミーティングでは現況などを本人の口から直接に聞かせてくれるに違いないということで、運よく参加権を得られたもので気合を入れて参加してまいりました。
現地到着時の会場の天候は晴れ。 しかし富士山麓に位置する富士スピードウェイらしく、周囲には積乱雲も散見されそれが唯一の気がかり。 会場に到着してまず目に飛び込んできたのは、今シーズン用に制作された琢磨応援横断幕「SIDE BY SIDE FOR TAKUMA」バージョン。 この横断幕はちょうど1週間前の8月2日(一部は7月26日)に、関東、信州、中部、関西の4地区において各パートを分担し、有志の方々の手により手作りで制作された渾身の大横断幕です。 今回この富士スピードウェイカートコースにおいて初めて4つのパートがひとつに繋がり、皆の前にお目見えしたというわけです。 関東地区の制作(一番右のパート)にあたっては私も参加させていただいたものであるだけに、こうして四位一体となった様はまさに壮観であり感動でした。 琢磨にも、またF1界全体にもこのメッセージが届くことを信じて疑いません。

さてさて、いよいよイベントです。 まずは12時30分よりカートドライバーに当選した人向けのブリーフィング。 参集したカートドライバーの後方を観戦者が取り囲む格好となった会場に、本日の主役である琢磨が登場して「Virgin Atlantic TAKUMA Club Karting」の開幕です。 琢磨がマイクを取り、今回の会の趣旨を説明するなどひととおりの挨拶をした後、係の方からカートに関する一連の注意事項等の説明があってブリーフィングを終了。 最後に琢磨より特別の注意事項があるとのことで再びマイクを持ちます。 「今日はスーパーアグリばりにスペアがありませんので、みんなカートをSA05だと思っていたわって乗ってくださいね(笑)」 琢磨流の、いや琢磨でなければ言えないユーモア溢れる安全を促す言葉とともに、会場は拍手と笑いで一気に和み、カート走行へと会は進みいよいよ慣熟走行の開始です。 慣熟走行は11台のカートを用いてA〜Eの5組に分かれ、琢磨先導のもとに行われます。 ただここで単なる先導走行にしてしまうのではなく、2人乗用カートを用いて観戦者から抽選で同乗体験走行をやってしまうあたりが、常にファンサービスを最優先に考えてくれる琢磨ならでは。 「琢磨にファンが多いわけだなぁ」とあらためて感心しきりでした。

ところがC組がコースインしていく辺りから、会場に到着した当初より気になっていた怪しげな雷雲が騒がしくなってきました。 案の定D組の面々がピットに戻ってきところで雨脚が速まり、落雷の危険性が高まったということで参加者に一時退避が勧告され、カート走行会は中断を余儀なくされました。 しかし安全優先で一時中断を早期に決定したのは正解で、後に聞いた話によれば敷地内に落雷があったという情報もあり、雷とはいえ山の天気の移り変わりの速さを再認識するとともに、富士スピードウェイが山岳地帯に位置するサーキットであることをあらためて実感した次第でした。 さて、鳴りやまぬ雷鳴と刻々と過ぎ去る時間との睨みあいにも飽きてきたころに、事務局は当初15時から予定していたファンクラブミーティングの予定を繰り上げて開催することを決定。 参加者全員がピットエリア内にあるクリスタルルームに場所を移します。

待つこと暫し、14時50分になると琢磨が颯爽と会場に登場。 進行役の方がファンクラブミーティングに急遽移行した経緯を説明し、琢磨に話を振ると「僕はまだ諦めてないんだよね」と開口一番。 会場から歓声があがり「空も明るくなってきたし日没までには絶対雨はあがるよ!耐久レースだけでもやりましょう!」と琢磨が続けると、先ほどまで疲れた表情も見られていた会場内は一気に盛り上がり、本当に天候が回復することを願いつつ、ミーティングの幕が開きました。 まずは琢磨からの挨拶ということで近況報告がなされ、今はF1をほとんど見ていないこと、またこのオフには日本でリラックスした時間を過ごしながらも、いつでもF1のフィールドに戻れるようトレーニングを続けていたことなどが語られました。 続いて質問コーナーへと移り、既にご覧になられた方も多いのではないかと思いますが、まずはこの8月からあらたにオンエアされている「Gillette Fusion 5+1」の、CMに関する裏話を教えて欲しいというお願いから。 何事においても真剣に、かつ全力投球するのが琢磨流であるのはファンならずとも周知の事実。 今回のCM製作にあたっても例外ではなかったようで、あの短いCMのために何度も打ち合わせを繰り返して「こういうのはできるできない、ここはこうしようああしよう」と詳細を細かく詰めていった結果が、例のCMなのだそうです。 私たちが聞いていると普段の琢磨とのギャップに少々照れてしまうようなセリフも、今までのCMとは感覚が新鮮でやりやすかったことや、撮影ヘリまで飛ばしたスーパーH2OのCMとは違って狭く暗い小部屋で撮影したので戸惑ったこと、またホンダのCMのように難しいセリフではなく助かったことなど、琢磨らしいユーモア溢れる表現を織り交ぜて裏話を公開してくれました。
次に続く質問といえば・・・そうですね。 あれしかありません。 やっぱりというべきか、当然というべきか、琢磨の現況と今後についてが次の質問です。 これを受けて琢磨は本当に申し訳なさそうに、しかし鋭い眼光を放ちながら力強く口を開きます。 「まだ公表できるような話は何もありません。報告できるような変化は何もありません。他のカテゴリーからのオファーも既にご存知のとおりあるにはありますが、こちらの事情をお伝えして丁重にお断りしています。僕はまだF1に戻ることをまったく諦めていません!」 メディアを通じた文字情報ではなく、今初めて琢磨の口から直接発せられた現況報告。 「日本に来てから既に1ヵ月近く経つけれど、既に数チームと交渉とまではいかないが実際に話をしているし、マネージャーのアンドリューが様々な話をしてくれている。具体化しているものではないけれど、今こうしている間にもアンドリューが話を進めてくれているし、自分としては来年の開幕直前まで2009年のF1への参戦を諦めることはありません。」 そして続けます。 「100%可能性が潰えるまで、あくまでもF1にこだわり続けていきます!」と。 会場のファンは一言一句も聞き漏らすまいと身を乗り出して聞き入り、また言葉だけではなく実際に琢磨の表情から溢れ出る「諦めない」というメッセージを受け止めようと、皆必死なようにも思われました。 「琢磨は諦めない!」 ならば「私たちも諦めない!」 そういう思いがファンと見事に融合した瞬間だったと思います。 今回のミーティングは、先にも述べた「TAKUMA Club Meeting」を知る者には少々短い30分程度というものでしたが、また聞かれた情報に皆が歓声をあげるような目新しい情報があったわけではありませんでしたが、それでも琢磨を目の前にし、真剣な眼差しを感じながら発せられる言葉を直接肌で感じることができたのは、ファンとしてとても重要な瞬間でありました。 短い時間ながら琢磨とファンの一体感を確認しあったその時、空が明るさを取り戻して事務局より「カート走行会再開」が宣言されたのでした。
さぁいよいよ待ちに待ったカート走行会です。 当初は「慣熟走行→フリー走行1→フリー走行2→スプリントレース→耐久レース」という、実際のレースさながらの本格的なスケジュールだったのですが、前述の雷雨のためにプログラムを省略。 お預けとなっていたE組の慣熟走行の後、耐久レースのみを行うことことが決定されました。 耐久レースは車番でチーム分けがなされ、11チームを編成。 予選なしの車番順でグリッドが決められ、誰が何番目に何分、何周乗るかなどの戦略はすべてチームに一任されて30分間で争うというもの。 琢磨はというと、慣熟走行時同様に2人乗用カートで同乗走行を実施しつつ、耐久レースをやっている中を周回するという趣向です。

各社がグリッドに着いたところで、琢磨がフラッグを振り下ろして各車一斉にスタート! そして琢磨も2人乗用カートに飛び乗って追撃開始! まるで同乗走行中ということなど忘れさせるような、それでいて乗っている同乗者に恐怖心をなるべく与えないようにしているであろう、とってもスムーズかつ速い走り。 待ちに待ったことでタガが外れ、耐久レースに必死なドライバー陣をホイホイと料理し、会場の視線と声援を独り占めして走ります。 ドライバーは皆自分なりに精一杯の走りで精一杯この瞬間を楽しみ、観戦者は同乗者を乗せて楽しそうに耐久レース参加者を料理していく琢磨の姿を楽しみ、あっという間に30分が経過してチェッカー。 チェッカーはスタート時同様、琢磨の手により各マシンに振り下ろされました。 実のところ私も運よくドライバーとして参加させていただいておりまして、チームの最終走車を務めさせていただけたおかげで琢磨の振るチェッカードフラッグをくぐることができました。 最終コーナーをクリアするとゴールラインに琢磨の姿。 琢磨が左手で私を指差して、右手でチェッカードフラッグを振ってくれています。 思わず琢磨に向かって右手でガッツポーズをしたら、琢磨も左手でガッツポーズを返してくれました。 私のチームの順位は聞かないでください(笑) とにかく楽しかった! 琢磨の近くを走ることはできなかったけど、琢磨と同じフィールドで走れたということだけで大満足。 私はこの日、この瞬間、この経験を大袈裟でなく一生忘れないでしょう。

さて、耐久レースの表彰式も終わり、日没も近づいてきたところで楽しかったイベントもいよいよ終了の時間が近づいてきました。 ところが最後に琢磨からサプライズプレゼント!! なんと全日本カート選手権に参戦しているマシンを使用して、琢磨がデモランを行うというではありませんか! 久々に見る琢磨のデモラン。 琢磨はあいかわらずサービス満点で「僕が走るんだからコース脇ギリギリのところまで来てもらって大丈夫!といって回っちゃたら恥ずかしいんだけどね!(笑)」と、ファンがピットロードの中に入って見られるよう配慮したうえで、何周も何周も走りに走り、最後にはホームストレートでUターンして逆走まで披露。 琢磨の走行シーンに飢えている我々ファンにとって、これは何よりの、本当に最高のプレゼントとなりました。 琢磨が閉会のあいさつをするころには陽も西の山々の背に隠れ、辺りは薄暗くなっていました。
余計なことかもしれませんが、一部の紙面やネットニュース等では今回のイベントが雷雨によって中断を余儀なくされたことばかりがクローズアップされて報じられていますが、琢磨とスタッフの心配りは我々の期待を少しも裏切ることなく、けして忘れることのできない素晴らしいイベントとなったことを、私はここに強調しておきたいと思います。 確かに雷雨に見舞われるというハプニングがありはしましたが、ファンにとってはそれも既に楽しい思い出の一部になっているのです。 琢磨クラブ初の参加型イベント「Virgin Atlantic TAKUMA Club Karting」は、間違いなく成功裏に終了したのです。
琢磨とのしばしの別れを惜しみ手を振る我々ファンに対して、スタッフの車で会場を後にする琢磨も何度も何度も手を振り返していました。 このような参加形イベントを企画し、琢磨と触れ合う機会をつくってくれた琢磨とスタッフの方々には本当に感謝、感謝です。 ありがとう琢磨! 私たちは琢磨が必ずF1のフィールドに戻ってきて、今度こそ本当にF1マシンで疾走してくれることを強く信じて待っています!
このイベントを通じてそんな思いをあらためて強くしているところに、琢磨がトロ・ロッソに乗るのではないかというようなニュースも聞こえてきています。 ブログの更新をさぼっていたせいで随分と前の記事となってしまいましたが、そこでも述べたとおり琢磨がホンダから切り離されたところで話題に取り上げられるのは大いに結構です。 また一方、別の報せでは「ホンダは琢磨を大切に思っている」などという話もあり、ホンダの中でも我々ファン側が思っているような考えを持つ派閥が間違いなく存在するのではないかと思わせる情報も出てきています。 確報ではないため、半分は眉に唾をつけて聞く必要があるかもしれませんが、それはまたそれで我々ファンの声が少しずつ届き始めたのではないかと、前向きに考えることもできます。 とにもかくにも今はまず、我々ファンは琢磨の言葉を信じて待つのみ! あの力のこもった琢磨の目を実際に見た、自分の感覚を信じて待つのみです。
当日の写真は、今回わがままを言ってご同行をお願いした、相互リンクもさせていただいている「SUPER AGURI F1 を応援するブログ」のAuthorであるarizouさんも掲載してくれていますので、そちらも是非にご覧ください。 → SUPER AGURI F1 を応援するブログ
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